石川消化器内科・内視鏡クリニック

以前、私がまだ研修医としていろいろな医科を回っていた頃のことなのですが、内視鏡に触れる機会があり、胃がんを早期のうちに発見できること、早期胃がんをESD（内視鏡的粘膜下層剥離術）という治療で取り除いて治せることを目の前で見たため、内視鏡検査は大変意義のあるものとして、強く印象に残りました。その結果、怖い病気の早期発見・早期治療を実現させられる内視鏡検査ができる医師を志すようになり、実際に現在も積極的に検査を行っています。
内視鏡検査は「一度すればもう大丈夫」という性質のものではなく、一年後、さらにまたその一年後、と継続的に受けていただくのが大切です。そのためには、できるだけ検査を楽と感じていただくことが重要であると考えています。もしつらい思いをしたならば、翌年にまた検査を受ける気持ちにはなかなかなれないものですから。
当院では、検査の際に鎮静剤を使用して、半分眠っているような状態の間に検査が終わるようにしており、また検査後にはその作用を引きずることなく、ごく普通に生活をしていただけるよう、麻酔の種類や量に工夫を凝らしています。
「意外と楽だった、これなら定期的に受けられそう」と思っていただけるよう、今後も改良に努めていくつもりです。

当院はまだ開業して間もないクリニックですので、来院される患者さんは「以前に治療したところの経過をみてほしい」といらっしゃるのではなく、「今つらい症状があるからみてほしい」という方がほとんどです。
「胃の不快感が続いている」「胃が痛い」「血便が出た」といった症状を訴えられる患者さんが多いのですが、「万が一」の場合を考えて、内視鏡検査をおすすめすることも多いです。
例えば血便が出ると患者さんは「痔かな？」と思われる方が多く、実際そのとおりであることもよくあるのですが、実はその奥に大腸がんが隠れていることもあるのです。比較的お若い患者さんでも内視鏡で見てみるとがんが隠れていた例も過去にはありますので、何らかの症状が出ている場合は、まずは一旦疑ってみてしっかり検査を受けられ、がんをはじめとした怖い病気ではないということをきちんと確認しておくことが大事であると考えています。