岩藤胃腸科外科歯科クリニック

私は元々消化器外科に所属しており、がんをはじめさまざまな病気に対し開腹手術で治療を進めることが多かったのですが、たくさんの患者さんの手術を行う中でとくによく感じたのは、「もう少し早く病気を見つけられていれば…」ということです。早期発見ができていたらもっと健やかで豊かな生活を送れるようになっていただろうに、と悔しい気持ちに駆られることがしばしばありました。
やがて時代は進み、内視鏡による検査が主流になってきました。その流れの中で、私は「がんになってから治す」のではなく、「がんになる前に防ぐ」ほうに力を入れていいきたいと考えるようになったのです。
内視鏡で検査を行うことで、やがてはがんになる可能性のあるポリープを見つけること、そして切除することができます。ポリープのうちに切除しておくことで、大腸がんの発症を未然に防ぐことができるのです。
胃カメラはわりとポピュラーなイメージがあるのに対し、大腸カメラは男女問わず受けたことのある方があまり多くはありません。しかし、女性の場合は死因の一位が大腸がんであるという事実もありますから、大腸カメラを受ける重要性、がんになるのを防げる検査であることを、まずは地域の皆様にしっかりお伝えしていきたいと考えています。

もちろんただ「検査した数」を増やしたいのではなく、検査することによってがんの発病を阻止したい、という強い意志をもって取り組んでいます。
内視鏡検査・大腸カメラを受けられる方は、例えば血便が出てしまったときや、会社の健康診断で異常が見つかったことがきっかけになるのが多いようです。しかしそもそも日本は、アメリカなどと比べ内視鏡検査を受けられる方が少ないので、もっといろいろな方に検査のことを知っていただき、40歳になられた頃には積極的に受けにこられる習慣ができるよう、広く普及させていくことが大変重要と考えています。

近年、大腸がんにかかる患者さんは増え続けていますが、一般的な健康診断では便潜血を見つけることはできても、腸内にポリープができていることまでは見つけられません。だからこそ、内視鏡検査の役割は今後も大きくなっていくでしょう。
大腸がんのもととなるポリープをできるだけ小さいうちに発見し、確実に切除して大腸がんの発症を防ぐことができる内視鏡検査を通して、当院は今後も地域の方々をがんの脅威からお守りし、健やかな暮らしをサポートすることに尽力していく所存です。