山口内科整形外科

私は長く消化器内科の医師として診療にあたっていますが、これまでいろいろな病院で、胃がんや大腸がんがかなり進んでしまった状態で来院される患者さんを多く見てきました。そういう方は「怖くて内視鏡検査を受けなかった」とおっしゃることがとても多かったのです。
しっかり内視鏡検査をすれば、胃がんや大腸がんの兆候があっても早期に発見することができますし、今では内視鏡治療（ESD）といって、内視鏡下で安全かつ患者さんへの負担も少なく患部を切除することもできるようになっていますので、もっと内視鏡検査に力を入れ、その重要性を広めていかなければならないと考えています。
そこで問題となってくるのがやはり「内視鏡検査は大変」というイメージです。それを払拭するために、当院ではさまざまな取り組みを行っています。
例えば胃カメラにおいては、鼻から挿入する細いタイプが患者さんにとって楽なのですが、画質が汚いという欠点がありました。しかし近年、経鼻タイプでもかなり高画質に撮影できるカメラが開発されたので、当院でもさっそく導入しました。
また、鎮静剤（麻酔）を使用して、ほとんど眠っているような状態のうちに検査を終えられるようにもしています。ごくまれに麻酔の効きづらい患者さんもいらっしゃいますが、薬の種類を複数用意して、できるだけ効きやすいものを使用する、といった工夫も行っています。

内視鏡検査をご希望される患者さんは年々増加傾向にあり、当院でも基本的には50～70代の方、時には10代や90代の方も来院されます。
「大きい病院では時間がかかりすぎるので」と当院にお越しくださる方も多く、また当院では感染対策のこともあり、必ずお一人ずつ検査をしていくのも大きな特徴です。できるだけ患者さんに安心して検査を受けていただけるように力を尽くしています。
それでもやはり内視鏡検査に対する不安というものは根強いため、今後も検査の重要性について丁寧にお話ししていきたいと考えています。また、一度でも受けていただければ「思ったより全然しんどくなかった」と感じてくださると思いますので、そういう患者さんを増やしていくことが大切なのです。
内視鏡検査はがんの予防にも繋がる大事なものですから、もっと気軽に受けていただけるよう、努力を重ねていきます。